10章 お受験メンテナンス
こんにちは! 間宮という者です!
「19歳」
『人生の中でもっとも希望の光に満ち溢れ、人格形成の礎となる貴重な時期』
僕のもつ19歳のイメージはそんな感じです。
過去、現在、未来、すべてが輝いて見える瞬間。
そんなキラキラした時代を僕は浪人生として過ごしました。
しかも2浪目。
『人生の中でも絶望の闇に包まれ、人間崩壊の危機にあった地獄の時期』
僕の現実の19歳はそんな感じでした。
かの安室奈美恵さんはかつて19歳という年齢をこう評しています。
『もうすぐ大人ぶらずに子供の武器も使える一番旬な時』
旬な時と言われると焦ります。
僕はそんなスウィートにしてブルース、かつウォーキンインザパークな年齢を、薄暗い部屋で一人、お経を読み上げるがごとく英単語などを暗唱して過ごした事になります。
その日々を思い返しふと
「この時期が今の自分の人格に何か暗い影をもたらしてるんじゃないか?」
最近そんな不安をおぼえます。
“目標をしぶとく、泥にまみれながらでも達成する”
そんな貴重な経験が出来た事は否めません。
“受験を始めるに当たって受けた模試で偏差値28を叩き出しながらも独学で大学合格”
書籍化したらもしかするとビジネスの匂いがしてくるのでは?というノウハウも得ました。
間違いなく必要な時期だったと今は思います。
しかしその反面、代償として、多感な時期の僕は何か大事をものを失ってはいなかったか?
そんな疑念が頭の片隅にふと浮かんでいる事も否定はできません。
受験は一年間という割と長丁場で行われるレースです。
そのため2周目に突入するときの精神はなかなか仕上がった状態になっています。
1周目を失敗した事で湧き上がる「劣等感」
また失敗するのではないかという「トラウマ」
でも失敗は許されないという「プレッシャー」
そんな決してポジティブとは言えない感情達をピットで新たに装着してLap2に突入したお受験グランプリ。
不安を払拭するため、気づいたら平均1日16時間を勉強時間に割くお受験レーサーと化していました。
「合格のためならいかなる犠牲もはらう!」
そんな決意と共に僕のレースは最後の試験日まで続きました。
そんな当時の僕の思考?行動を今省みて、ふとこんな問題提起を自らにしてみます。
〜Q〜
ただひたすらにスピードだけを追い求めチューンアップされたマシンはどうなるか?
〜A〜
ハンドリング性能やブレーキング性能など、走行するうえでスピードの他に大事な要素達を失うため、結果ガラクタと化す。
「合格」のみを求めた僕の19歳。
他の事は何も目にはいりませんでした。
そんな状態で過ごした日々は僕をガラクタ道にいざなってなかっただろうか?
それを考えると心配になるのです。
例えば、コミュニケーション。
予備校には通わず自宅で独学をしていた当時の僕は他人との接点を概ね失っていました。
そんな僕が他人の気持ちを考える機会は
『傍線部Aの作者の気持ちにもっとも近いのは次の1〜4の選択肢のどれか』
という問題を解く時位なものでした。
果たして僕は傍線部Aなど引かれていない生身の人間の気持ちを考えられるようになったのでしょうか?
例えば恋愛。
「受験生が恋愛をすると男は落ちて、女は受かる」
受験生にとって「夏は暑く、そして冬は寒いものです」という位当たり前の常識とされているそんな格言に心酔し恋愛を排除した僕。
『源氏物語』を勉強する時に、主人公?光源氏の恋愛を追体験する事が唯一僕に開かれていた恋愛の窓。
果たして平安時代の恋愛様式は平成の世でも通用するのでしょうか?
この他にも、「遊びたい」「眠たい」など勉強に邪魔な感情は全て捨てて邁進した日々。
そんな感情達は中身など確認されないままボンボン捨てていかれたため、本来養っておくべきだった“貴重品”が捨てられていたとしても気づく事はありません。
果たして今の僕は、最低限の走行性能位は装備しているマシンなのか?
それともなれの果てのただのスクラップなのか?
それを模索する必要がある気がします。
少なくとも何かしらの欠陥を抱えている事は間違いありません。
『男は30代が旬』
そんな言葉をどこかで聞きかじった気がします。
だとしたら「チャンス!」なわけです。
今度は19歳の時とは違った旬へのアプローチ方法を模索し、今まで養えなかった部分に光を当てたいと考えるSWEET 30 BLUES。
とりあえず故障部分のメンテナンスから始めたいと思います。







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